プールサイド/夕凪ここあ
書の朗読
みたい
あしたも
あさっても
十七歳でいられたら
十七歳でいることに
なんだか
むしょうに
切なくなって
濡れたまま
プールサイドで
待ってる
きっと
少しだけ
震えるくちびる
あ
を発音しようとして
もう水音
しっかり
目は
洗いましたか
魚になりたく
ないのなら
ねぇあの日
うまくターンが
できないままに
夏は
わたしたちを
追い越してった
おどろくほど
簡単に
わたしまだ
泳ぎきれないで
うなじあたりに
懐かしい
塩素の匂い
三番コースで
拾い集めている
散らばった
こくはくを
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