きみの領分/
美砂
ちいさい声で
すごく大事なことを
いう
おおきい声では
いえないことを
いう
声の芯は
おもいのほか
しっかりしていて
おおきな声が
いくら
邪魔しようとしても
伝わってくる
大事なことはいつも
ひっそりと営まれる
それでいい
それがいい
きみと
瞳をあわせる
まったくぶれのない
黒目の輝きが
僕をドキドキさせる
僕の愛するもの
意味のある静けさと
思慮深さ
きみの領分
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