悟/きりえしふみ
指先から不可視の(しかし、それは或る者らにとっては銀色に光る)糸
幾つもの繊細なる撓る糸、弛ませ垂らした
撓らせては 垂らした
道という道 道のない道へまで
私は眉間から七変化する糸 こめかみから 指先……足下から陸伝いに
風や雲を伝って 陽光を 月光を お仲間と引き入れた
ティースプーンで 其処に私を解いてみた
私の一部を其処に塗した 浸した
風にパラサイト……君の肩を突いて振り返らせた
青い未成熟な唇を奪って 永遠に帰らなかったりもした
吐く息から ?それ?を垂らした
想像の及ぶ限り 想像の及ばぬ範囲にまで
せせこましく 私の糸を垂らした
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