(きこえて、いますか)/yuri.
 

さわらして、

言った
しずかな午後がふる
街角の
記憶

つまさきから
うまれてはいけない、

たゆたう
あなたの声が
流線型になる
夕方
のこと

目をさまして
そのまま
暮れてゆく







真夏の
きりさめ、

あかるいベランダに
こぼれおちた
フレーズの


 (とおくに、

   うもれているんでしょう


   微炭酸の海、
    


  間延びした

   せかいの、

    はじまり






素粒子が
ふぞろいな、
午後

はなし、

こうふくな
寝息をたてる
あなたの
となりで


とめどなく
遠くなる、

空を、みて


まわりつづける
せかいの
横で、
あらゆる声が
ちらばって

やさしい
うたに、






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