二番目のきみへ/
小川 葉
霧のポケットから
たよりなくこぼれおちる
飴でできた郵便受けに
新しい手紙が届く
閉ざされた空から降り注ぐ
涙の化石ひとつひとつを
言葉に記すように雲のページは
静かに静かにめくられてゆく
あなたは二人乗りの自転車を
どこまでも漕いでゆく
二番目のきみへ
唐突にそう結ばれてわたしは
息を止めたままベッドへ飛び込み
深海魚のいるあたりまで潜る
血は青く青くとけてゆき
気をうしなうまで
波打ち際であなたは
また新しい手紙を書いている
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