哀しみ皇子(8)/アマル・シャタカ
だったのよ
でも、あの人がね、老いるのはお互い様だ、俺はお前と重ねた年月をお前と分かち合いたいとか言ってね、無理やり
今では、慣れたけど
一緒に入ってね、あの人の身体を洗ってあげているとね、いろいろわかるのよ
今日はこんなところを怪我しているとか、肌の具合がよくなさそうだから、体調不良なのかな、じゃあ、食事はどうしようとか、お腹が出てきたなあとかね
あの人ね、私が頭を洗ってあげると、本当に気持ちが良さそうなの
たぶん、本当は、私・・・・その顔が見たいだけなのかもしれないけれど」
ぼくは、なんというか、とんでもない異世界にいる気がするのね
「ふふ、そうかもね
ここにはあの人
[次のページ]
[グループ]
戻る 編 削 Point(3)