祈り/水在らあらあ
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七百七十六番目の天使が
翼をなくした
俺は 黙っていた
言葉は全て 汚れているから
俺は 黙っていた
あと十秒
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六百六十五番目の悪魔が
翼を引きちぎる
俺は 泣いていた
お母さん 俺は 泣いて
信じようが信じまいがあんたの勝手だが
ただ俺は泣いていたんです 神様
あんたが何を信じようと信じまいと
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五百五十四番目の人間が
翼を夢見た
俺はそいつの脇腹に穴を開けてやった
聞こえますか彼女の涙が
愛欲の荒野の果てで凍てついてゆく音が
だから俺はそいつの脇腹に
穴を開けてやった
青空が
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