麦の穂をゆらす風/いねむり猫
私達はこんなにも美しい土地に生きている
森から抜け出したような おまえのやさしい歩く姿や
泉から湧き出しているような 子供達の笑い声
頬をなぶる風のような母親の言葉
季節毎の自然に課せられた仕事をこなして
やっと生き抜くことができる厳しい土地でも
私達はなんと美しい季節に取り巻かれていることだろう
それでも血は流れるのだ
人々が信じることを貫くという欲望によって
娘達の腹が裂かれ 子供達の首をはねる
信念が 己が信じる世界のつながりが
この季節の 黄金色の麦の穂を揺らす風の
届かない場所をつくるのだ
なんとゆう秋の木々の美しさ
木々が古い家々を多
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