手つなぎ鬼の足音/ねろ
を祝ってる
感じた隙間は僕が僕でさえないときがあるからだ
鬼さんこちら手の鳴る方へ
歪んで行く地平線に太陽が触れた時が最後だと子鬼が言う
僕が僕であろうとした時に日は暮れてしまうのだろうか
幼い質問をかかえながら僕はクリーム色の街で息をする
ひとりでぐるぐる歩き回りながら言葉の最後を少し噛みしめる
大きな拍手を受けたみたいな気持ちになるとき僕は思わず手に汗を握る
小さな手が、小さな手が、僕に拍手をするよ怒ってないから出ておいでって
僕は荒野に置かれた白い小箱について考える
昼間の月はきっとその中にはいってるんだと思う
フェンスにぶら下がった子鬼たちが不思議
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