灰色/東風
 



壊れかけた玩具の銃で戦う相手も見つからない

生ぬるい十五の終わり
青春には程遠い

遠くのものほど美しく見える未来も過去も

いつか許せるときが来るのか
それとも愚かと笑うのか

それは私であるのだろうか

走り出し揺れる鞄に弾かれて赤い実が落ちる

生ぬるい十五の終わり
青春には程遠い

あの頃は良かっただなんて言いたくはないが

この思いすら無くなっても
それはしょうがないのかも

もう信じることはできない

遠くに向かって手をのばす
掴もうとするそれが何かはわからない

生ぬるい十五の終わり
青春には程遠い

少し湿気の強い午後

壊れかけた玩具の銃口自分の眉間につきつけた
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