夕立/
あずみの
赤いダリアがうつむいていた
街灯はちかりちかりと電池切れ
濡れることに疲れたわたしは
通りすがりの民家の軒下で雨宿り
出窓に座るドラえもんと目が合った
車が水しぶきをあげて通り過ぎる
足裏はきっともうふやけている
雲が凄いスピードで走っていた
わたしはこの雨にいったい何を
期待していたのだろう
流れてくれるかと思った
消えてくれるかと思った
たぶんおそらくそんなところ
西の空だけが奇妙に明るかった
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