死と眠り/美砂
 
死と眠りが
同じようにみえるときが
ある
ひとめみたとき

だからときどき
はっとして
大切な人にかけよる
あなたたちは
人の気もしらないで
静かな息をしている

あつい
手のひらに
かかる


わたしはまだ
なにもしらないことに
きづく
なんの
用意も
していないことに
きづく
そしてそれを
すぐに忘れる

忘れなければ
ならないことのように


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