君が英雄になるように/ロカニクス
It was a dark and stormy night
暗い嵐の夜だった
犬小屋の上
黄色い小鳥が彼の元へ向かう間
はかないひとときに夢を見ている
書き出した小説の本筋
もしくは自分=スーパーヒーローという図式
あるいはこの体この胃袋で
吐き出したり飲み込んだりして
その浅薄さ故にある種とても残酷な愛を睦びあった
一匹の犬であるという事実とだからこそ優しい現実
全ては暗い嵐の夜からだった
生まれたことも
ジョー・クールは日曜の午後が嫌いだということも
丸頭の子供が運んでくるご飯皿も
世界中に散らばった家族たちも
彼らを束ねて飛び回る立派な自分も
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