会えない/
森下 流華
ぼくは急いでいた
きみに気づいてほしくて
ぼくは焦っていた
きみが遠くに行ってしまいそうで
ぼくは迷ってしまった
きみに ぼくの想いを伝えてもいいのか
きみからの電話は もう来ない
ぼくもかけられない
きみが ぼく宛に書いてくれた手紙を
ぼくはもう読めない
だって 携帯も手紙も
雨の街で きみの手の中で
すっかり濡れてしまったのだから
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