「用意していたナイフ」−大覚アキラ「水族館」/木葉 揺
大覚アキラの詩は油断できない。
分かりやすい言葉で書かれ、親しみやすい内容かと思わせておいて、
必ず後半にドキリとさせられる。案内されるままに無防備について
ゆくと、突然振り返ってナイフを突きつけられるような感覚だ。
ここでは彼の最新詩集「heavymetaliric」より、特に気になった
「水族館」をひいてみよう。
便宜上、今回は一行のみでも「一連」と考えて進めることにする。
{引用=
薄暗くて
静かで
エアコンがよく効いた
水族館で
きみは
狭い円柱状の水槽の中を
鰯の群れが
回遊し続けるのを
呆然と見つめながら
「なんか気持ち悪い」
っ
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