hibiki/はらだまさる
 
と動的な旋律と、ポエジー。
  人間の歩幅で奏でる感情。
  暴走族と、ぼくら。
  騒音と、ピアノ。
  恥ずかしさ、
  悔しさ、                   遣る瀬無さをも吸いこんだ、黒。
                  黒のタキシード。そして赤い靴下。あたたかい。
                     ぼくらは、今夜もたった一つと抱き合う。


  「それが地上の楽園だ。」と、顔のない世界では老成だが年齢不詳の少年が、爪を噛
  みながら、ぼくらの耳に届かないくらいの小さな声でこぼすと、世界は白々しく耀き
  出し、空が跡形もなく黒に燃え尽きる、サウンド。








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