線/水町綜助
 
はやい
から

きれて
とんでる
けしきが
ちかくの
草むら
なんて
もう
線だ
恐ろしいくらい
長い
線だ
空気が
固い
いま
どれだけ
もう
壁みたいで
いたい
めが
いたい
まぶたを
おしあげてくる
かわかして
かわいて
なみだが
あつくなって
わいて
また
吹き飛ばして
筋に
なみだの
線に
なる


イネが
風に
丸まって
かしゃんと
たたき
割られて
こなごなに
かがやいて
吹き
流れる
そんな
ものが
いくつも
いくつも
割れて
吹き飛んでいく

木々は
こんちゅうを

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