ありふれた日常/doon
 

 この火の美しさと匂い
 一冊の本では語り尽くせない
 本は言葉ともに、限界にたどり着いて
 結局そこまで

 いま、平成の世
 日本人は80まで普通に生きる時代となった
 一年が80回やってくる
 どこへも行けない日にちの数は
 一万を超えてしまうのだろうか

 この火の粉のように
 燃えて消えてしまうのか
 365日の内の1日よ

 ペンを走らせる
 せめて今日が消えないように
 私は
 私のために
 限界を目の前にして
 いまここで
 もう薄れ始めた記憶を遡り
 風の限界に
 紡げない限界にぶち当たった

 今日という1日が
 そうして終わっていた
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