遠い昔の夏の夜/ぽえむ君
 
遠い昔の夏の夜
通りすがりに見た花火
ちりちりと音を立てながら花が咲く
光を見つめているうちに
いつしか音が消えてゆく
赤や緑の光だけが
思い出になってゆく

遠い昔の夏の夜
二人で歩く帰り道
笑いの絶えない話が咲く
笑顔を見つめているうちに
いつしか声が消えてゆく
つないだ手の温もりだけが
思い出となってゆく

遠い昔の夏の夜
美しい思い出には音がない
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