くちづけ/水在らあらあ
真っ赤な帽子をかぶって
自転車に乗って
川沿いを走る
そのあとには
くちづけだけが残る
彼女は 詩だから
彼女は 詩だから
窓辺にアリスとかハートのクイーンを飾る
床の間には真実
狭い階段を駆け上って
花びらを 踏んで
手袋をして
町を歩いて
気が向いたら
少し踊って
血は 貴族で
それは きれいで
真っ赤な帽子をかぶって彼女は
下町に向かう
学食を冷やかしたりして
夕暮れを待って
血は 貴族で
二人は きれいで
(噛み付いて ひっかいて くちづけて 呪われて
手のひらで くちびるで からだで 懺悔して
愛
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