愛の山羊/六崎杏介
 
(言葉遊び無しに書くのは
 貴女に贈りたいのでは無くて
  示したいから)

貴女は唐突に現れて、僕に新しい知覚を与えてくれた
それはとても魅力的だった 第二の告発の声だった
そうして僕らは愛し合う様になった
そう言った意味で貴女はまるで、僕のアザゼル
(アザゼルは僕の一等好きな天使だ)
暦を地平に見立てるなら、貴女は僕より遠く
遥か荒野に一人で在る 僕はなるたけ美しい山羊を
貴女に捧げようと、A!捧げようと
あの人達の使ってない山羊を買い取って
(それは中々に高価だった、僕は身を切る様に働きました)
祈りを以て 「貴女の所に迷わず届きます様に!」

…ね、僕は塵になる迄働いて 山羊を買います
塵になったら 凍てつく様な荒野の風に
僕がまじっていると 思って下さい。 


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