好きな詩/楢山孝介
 
毎日詩を書いていると

お、
いい
好きだ
大好きだ
これは傑作だ
これは後世に残るぞ
いろんな言語に翻訳されるぞ
もうこれ以上のものは書けないぞ

なんて思う時が稀にある
月に三度くらいある
月末に見直してみると
いいことはいいけれど
傑作というほどでもなかったり
もうどこがいいのかわからなかったり
これはむしろつまらないな、と思ったりする

だけど案外
何でこんなの書いたんだっけ
というようなものが
後々見ると出来が良いように見えたり
他人にも評価されたりする

自分の好みというものは
これまで読んできたものや
見てきたもの経験してきたこと
[次のページ]
戻る   Point(5)