好きな詩/楢山孝介
毎日詩を書いていると
お、
いい
好きだ
大好きだ
これは傑作だ
これは後世に残るぞ
いろんな言語に翻訳されるぞ
もうこれ以上のものは書けないぞ
なんて思う時が稀にある
月に三度くらいある
月末に見直してみると
いいことはいいけれど
傑作というほどでもなかったり
もうどこがいいのかわからなかったり
これはむしろつまらないな、と思ったりする
だけど案外
何でこんなの書いたんだっけ
というようなものが
後々見ると出来が良いように見えたり
他人にも評価されたりする
自分の好みというものは
これまで読んできたものや
見てきたもの経験してきたこと
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