フラグメント/もりおかだいち
 

、ただひとつ

あさのきせきに
宿してしまった
うぶごえのかなしみ

あるいは
いつまでも僕はそれに触れていよう

〜グラスの底の羊水の永遠に
 祈られた静寂が投げかけられると
 メメント・モリ
 敬虔な朝のメルヘンがゆっくりと反響している〜

すると
そのように
ひとつのあさ
ひそやかに
まどぎわに置かれた
花の余生が
とても美しい


    
    
    

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