一途/水在らあらあ
―健二に
包丁一本さらしに巻いて
君は西洋にやってきた
言葉なんて何にも知らないのに
義理人情
いろんな人を愛し 愛され
毎日包丁を研ぐ
それはこの西洋の高い青空に切れ目を入れる
そこから滴るものが
おれたちのつまみになる
レストランから高いワインをくすねて
きれいな子おおいわ ほんま この街
ああ、一日に二回ぐらい心臓止まるかと思うぜ
それにしたらここの男はひどいわ
いや それがいいと思うよ
美女と野獣っちゅうやつやな
ああ、おれも女の子は美しくあればいいと思う
そらそうや そいで
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