青い鳥が青い訳/桜井小春
かった、分かったよ、こうなったらとことん付き合ってやるから。
放課後。美奈子といつもの場所で待ち合わせ、裏門から出て同じ家路を辿った。二人とも傘を差しているから、俺と美奈子の間にいつも以上の距離が出来る。相合傘なんざしたくはないが、雨の日はこれが少し寂しい、なんて思ってしまう。俺も女々しいな。
「分かった?」
「分からない。お前は?」
「私も」
雨は大分小降りになっていた。遠くの空が、そこだけ穴が空いたようにほんの少し、晴れていた。
交差点に差し掛かり、赤信号に二人で足を止める。晴れ間は段々と広がっていく。ああ、明日はいい天気になるかな、なんて思っていたら、信号が青に変わった。俺
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