雨夢/dew
 
霞みがかった空気の切れ間に
夢を見た、悲しい夢

やみかけの雨が
焦らすように肌を湿らせ
不機嫌な木々達は
上に向かう途中でうつむいていた

枯れかけの薄紫色
小さな花弁は滴をまとい
威嚇するように群れていた

散るときは潔く
孤独を超越する様を見せつける、くせに

眺める僕の眼差しは白く濁り
自分の姿を探すことが出来なくなっていた

君を素直に嫌いと言えた幼い日が
やけに愛おしく感じた
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