わたしの原点/池中茉莉花
でも あなたのように 死んでしまった
何回も 何回も 何回も
だけど それは わたしには 似合わなかった
きっと わたしらしい 死があるのでしょう
それでも あなたの思いは 忘れません
歴史の渦が わたしに向かって
えらで呼吸せよ と押しつけても
溺れたって
ひたすら 鼻と口を 大気へと向けて
呼吸しつづける
それで たとえ
人為的な津波に さらわれたとしても
わたしの 呼吸器官は 肺だもの
それだけは 曲げないで 生きていきます
二十一歳の わたしの原点を 変えることなく
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