哀しみ皇子(6)/アマル・シャタカ
 
ぼくは哀しみを探索する哀しみ皇子

つぎの停車駅は、鏡のない二人だけの世界なんていう
変な名前の駅なんだ
哀しみ本線って、かなり変わってるよ
でも、あんまり揺れないのはいいところ

「哀しみ本線名物『日本海』はいかがでしょうか〜」
ねえねえ、名物『日本海』ってなんなのさあ
「哀しみ皇子、これはですね・・・・」
あれ?この人もぼくの名前を知っている、どうしてだろう?
「見ると哀しくなることの出来る抜群のお土産なんです
これとは別に『津軽海峡』というのもありますが」
売り子さんはそういう
ナマモノなの?
「えー、そういう風に言われていますが・・・・賞味期限があるわけではあ
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