六月のおわり/
及川三貴
てっきょうごしに
くもがかけていき
ゆうがたのはずれに
ひとり
ろうばたちが
きしゃをみおくりながら
さいげつのはなしを
している ひとは
いつかしぬ
かみを
ていねいにおるように
ひがしずんでく
わたしはたっているのがしごとだ
あせを
なみだのように
ながしながら
やさしいこえで
おいで と
てまねきする
しずかにいきをとめ
ささやきごえが
とおくから
いねが雨をまっている
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