午後四時/蒼木りん
 
くず入れには
必ずビニールがまぎれている

分別の意味がない
ふんべつの意味がわからない

嫌なことは重荷
嫌なことの価値が人と違う

当たり前の階段で躓いて
転びそうになった

女達は深刻な笑い話
ひとりだと死んでしまうらしい

大げさに笑うけど
そんなに面白いこと?

過去の自慢
自分がここでは一番不幸


カラン カラン..


もうだめ..
電池切れ

しばらく雨なんだって
実は梅雨なんじゃない?

季節がずれているのよ
冬と夏が狂ってる


カラン カラン..


思い出した思い出すよ
たぶん会社のことは忘れても

窓の空と
ブラインドのひものゆれる音は

こころに記憶した
変な味とともに

もっとも..
同じような味に出会ったらの話だけど


カラン カラン..


空と風
ときどき黄金の雲



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