祝え!ドンケツ記念日/人間
過去を連れ子にして裏通りのレンタル暗室に潜り込み
かなしいを現像すればドン・ケツァルコアトルになって叫ぶ
旧友と連絡を取れなくなっていくのが
誰かが離れていくのが 誰かと親しくなるのが
人に忘れられるのが 人を忘れていくのが
物凄くかなしいがドン・ケツァルコアトルになって叫ぶと
声の端から情という情は石の心臓になり
音の粒が揃い 皆は変な血へ遅れ
体から中心線が消えればそれがドンケツ記念日
日々が平凡の冗長であることも
時間が記憶の堆積の上で比例的に加速度が増える疫病であることも
よりどりみどりの差別偏見を通して人と人が推し量り合うことも
劣等感は”(蓄積
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