哀しみ皇子(5)/アマル・シャタカ
 
ぼくは哀しみを探索する哀しみ皇子

涙を宝石にするオジサンのお家に昨日は泊まったの
「皇子、そろそろ起きなさい、もうそろそろ琥珀色に染まる」
オジサンはそういった

ねえ、オジサン
ぼく昨日の夜、泣いちゃって涙が出たから、ハンカチーフに取ってあるの
これを宝石に変えてくれないかな
きねんに持っていきたいんだ
「皇子、これはダメだよ、前にも言ったが、優しさが加わっていないから」
残念そうにオジサンはいうけれど、ぼくはもっと残念なんだ
優しさってなんだろう?
あ、手の中の哀しみが、ぼくのそのハンカチーフを食べちゃった・・・

「さあ、皇子、哀しみ本線まで送るよ」
オジ
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