知らない事実/はるこ
 

考えてみるともうずっと
生活はあなたの色に染まっていて
以前がどうだったかなんて
少しも思い出せそうにない

だからと言って
あなたとの距離が近いかと言えば
残念ながらそんなことはなく
知っていることと言えばそこらへんの
可愛らしい子の方が多いくらいです

ちょっと高めの声
その声で話す地元の方言
くりくりとした眼
その眼から少し落ちる視線の角度
白いTシャツ
それに書かれたよく分からない言葉たち
歩き方の独特なリズム
それに合わせた胸の鼓動

あなたのことちっとも知らないのに
日々 増えていくんです
想いが募っていくように
あなたの発見が増えていきます
でも やっぱり距離は遠い
そして このままでいいとも思います


あなたと親しい友達は
あなたの秘密をひとつ知ってた
それを嬉しそうに言う横顔にぴんと来た事実
違ってて欲しい

ねぇ 友達が彼女ではないよね?
傍にいられなくていいから
それだけは違ってて欲しい
自分勝手な考えでごめん
でも それだけは違ってて欲しい
違ってて欲しい
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