MERKAVA/10010
□「花の世界は霊の世界の午睡である」(ノヴァーリス)
■隈無く経巡り、しかしいつかはまた戻ってくる、円形をしているのだろうか、広大な花園。ここかしこに様々な花が隣り合って咲き乱れ、一周して、また同じ花に出会う。しかし花の名前を、おそらく一つずれて憶えてしまったために、隣に咲く花の名前を、それぞれその花の名前と取り違えてしまったようだ。だから、本当は、ずれたのが一つだけなのかももう解らない。だが、それでも辻褄はあっているのではないか? N種類の花にN個の名前。わたしは花の名を識らないから、花が実を付けるように花に自由に名を付けよう。なにより、花に言葉を添えるよりも言葉に花を添える
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