セザンヌ賛/鈴木カルラ
 
い。しかし、その泥のように濁った色が、適度な距離をとることで、まるで幻覚でも見ているかのように光り輝き出す。絵が、色彩が光だす」
そう、私はみました。それは不思議な幻覚。濁った泥のような色が、光り輝く瞬間。それは、人がセザンヌの絵を脳でみた瞬間。

アナタはいいました。
「そんな絵はセザンヌにしか画けない」

アナタはいいました。
「濁った泥のような色を光り輝く色彩に変貌させるようなことは、誰にもできない。数多歴史上に現れた天才達にも」

アナタはいいました。
「それを知った時、人はセザンヌの創り出す絵画に、色彩に、そこに神の輝きをみる」

アナタはいいました。
「セザンヌの絵画は神の領域にある」


アナタは画家
私にはそのことがどのぐらい凄い事なのかわかりません
でも、セザンヌの絵を脳でみる瞬間を知ってしまいました
だから、また、いきましょう、美術館へ
濁った泥のような色が光り輝く瞬間をみるために
アナタがいう神の領域を 
みにいきましょう

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