哀しみ皇子(4)/アマル・シャタカ
 
(言葉を失ったよ、とうさんは)なんて、ぼくに話してくれたけど
今日、ぼくは初めて言葉を失うという、とうさんの気持ちがわかったよ

でもオジサン、いくらなんでも、海は海なんじゃあないかなあ
「皇子、君は見たろう?俺は涙という液体を宝石に変えられるんだよ」

ぼくはオジサンに寝床を用意してもらって
この手紙を書いています
とうさん、かあさん

涙がこの星で、この星は宝石で、この宝石は美しいということなら
そこに住むぼく達も涙で、この星そのもので、そして美しい宝石ってことなのかな?

もう、涙を宝石に変えられるオジサンは、オジサンだけなんだって

なんだか、むしょうに、ぼくはとうさんとかあさんに会いたいよ
なんだか泣けてきちゃって、いっぱいあるハンカチーフで涙をちょっと拭いたよ
それを明日は、オジサンに宝石に変えてもらうね

おやすみ
大好きなとうさん、かあさん
また、手紙書くからね

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