愚かなる者/
蒼木りん
れぬ罪と
苦しみにさいなまれるなら
一掃のこと
この鬣を握る手を離して
生きるか 死ぬかに
賭けてみるか
既に 地上は遥か遠く
疾風の獣は桎梏の闇へ駆けていく 』
優しい獣だったころのあなたは
甘い風を纏って
紅いサルビアを差し出しました
そしてひとこと
『私のことが 信じられませんか・・・ 』
唇には微笑
永遠と願う時も
総てのあなたも
はじめから
信じてはいなかったのです
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