愚かなる者/蒼木りん
 
優しそうな獣に化身した

あなたの

深い蒼い瞳に惹かれて

その逞しい背中に 

思いがけず乗っていました


柔らかい毛並みの触感 

見初めた者の

体温と鼓動 

頬に触れる優越感の風

望むものは

ひと時の幸福


突然

静かな湖面のようだった瞳は

破っと見開いて

雲を巻き上げ 空を駆けて

わたしを連れ去りました


『 何処までゆけば

  神の矢は届かない

  狂った想いは

  いつ遂げられる


  愚かなる者・・・

 
  一瞬の感情の渦に巻き込まれ

  逃れられぬ
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