先生/
小川 葉
私たちは
雨の絵を描いたり
バケツに水をくんだり
シャワーから水を出してみたり
思いつく限りのことをしてみたけれど
先生はそうじゃないと言って
青空のはしっこをつかんで
そっとめくってみせた
すると見事に雨は降ったのである
しかし君たちがしたことは
まちがいではなかった
と言って
先生は私たちと一緒に
雨の絵を描いてくれた
あの日ほど
真実に満たされた日はなかった
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