戦略としての禅の不動の境地/アハウ
端座し
呼吸を整え
息を数える 一 二 三・・・・
不動の座禅 鳥の声
意識は研ぎ澄まされ
一呼吸するごとに
『魔境』というイメージの嵐に犯されている
意識の特異点 ざわめく おしゃべり
心の地下鉱脈 『魔境』
あまりにも形象が生々しく
極彩色にいろどられているから
ついつい見とれてしまう
意識が つまづく こだわる 『魔境』
師は「そこから!」とおっしゃる
これをなんなく やり過ごす
こだわらず 時を過ごす
息を整え 一 二 三・・・
やがて すーと 『魔境』が止む
不動の『無』の境地がやってくる
座禅の密かな楽しみ
木々の葉の擦れ合う音
小鳥のさえずり
太陽光の圧迫
境地を楽しんだら
やがて座る事を止める
禅は止めず
座る事だけを止める
そして 詩を書く
本を読んだり
食事を作る 食べたり
掃除をしたり
まぎれもなく
日常が戦略としての不動の境地となる
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