屋根は濡れている/ぽえむ君
 
梅雨の季節に入り
自分の住む街にも雨が降り始めた
テレビの天気予報では
しばらくの間はこのままだという
ぼくは家の中
ここにいる限り雨には濡れない
家の屋根がある限り雨には濡れない
ぼくは屋根に守られている
屋根がどんな風になって濡れているのか
見ることはできないけれど

ぼくが今こうして
当たり前のように安心できるのは
それぞれの屋根があって
それらの屋根が濡れているからだ

屋根は濡れている
気がつかないまま
ぼくはこうして椅子に座って
青空に浮かぶ白い雲の写真を眺めている
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