孤立ドールシャウエッセン/カンチェルスキス
 
分の思いをぶちまけるように無糖ブラック缶コーヒーを白い丸皿に注いだ。月を食うみたいにして闇の黒が広がり、皿の淵で止まった。おれは床に膝をつくと、思むくままに皿コーヒーを啜った。楽しんだ。自分の足が臭かった。靴と鼻の距離があまりにも近すぎた。マスターは新しいしゃもじのことを考えてるせいか、浮かない顔をしてた。無糖ブラックコーヒーは皿で楽しめ、とおれの胸は熱くなった。マスターにピザトースト作ってくれって注文した。このマスターに人並みに出来ることと言ったら、そこそこうまいピザトーストを作ることとダスキンサービスマスターの女と恋に落ちるぐらいなものだった。はい、平均から絶対脱しようとしないピザです、とマス
[次のページ]
戻る   Point(3)