孤立ドールシャウエッセン/カンチェルスキス
 
はこれが欲しかったんだ。ありがとう、とおれは言った。じゃあ、これを皿にしてくれ、と続けて言った。マスターは皿ですか?と訊いた。皿だよ、とおれは答えた。どうしても皿ですか?と重ねて訊いてくるから、どうしても皿だよ、とおれは重ねて答えた。疲れた顔を一層曇らせて、マスターは喫茶店の前の保健室から一枚の白い丸皿を持って戻ってきた。大きな皿だった。ちょうど子供用のトランポリンぐらいの大きさだった。床に置くように指示した。じゃあ、はじめてくれ、とおれは言った。いいんですか?とマスターが訊いてくるので、いいんだよ、おれは好きなんだよ、とおれは言った。好きにしてください、と言うと、マスターは片思い十年の女に自分の
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