孤立ドールシャウエッセン/カンチェルスキス
孤立してしまったのだ。おれは港に着いたばかりで、フランス人トップモデルと激しい鮨の奪い合いに負けた後でもあった。落ちぶれた気分だった。受験勉強の途中に息抜きとして窓を開けたら、知らないやつがケツを向けてて、ゆで卵をたくさん食っただろうなってすぐわかる屁をこいた、嗅がされた、それが臭えのなんのって気分だったが、おれにはそんな経験はなかった。最近じゃそこまで覚悟して屁をこくやつなどどこにもいない。港に金ダライで戻ってくると、自分が訪れてた国がどこだったかやっとわかった。それまではわからなかった。どういう経路でその国を訪れ、だいたいなんで遠くへ出かけたいなどと思ったのかわからな
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