花びらのように/あずみの
わたしに降り注ぐ優しさはどうして
こんなにも哀しいまでに鮮やかな花びら
灰色のわたしを埋め尽くすように
幾ひらも幾ひらも舞い降りる
紅い花びら
白い花びら
青い花びら
黄色い花びら
桃色の花びら
橙色の花びら
紫色の花びら
薄緑の花びら
柔らかく暖かくわたしを包み込む
ああ、それなのに
色を持たない灰色のわたしには
もうすでに枯れ木のわたしには
与えられる優しさに返せる花がない
花を咲かせる力もない
何をもってこの美しさに報いよう
何をもってこの優しさに報いよう
せめて涙でも流せたなら
それを一粒一粒心込めて
玻璃に変えることもできただろうに
孤独な古木に今日も色鮮やかな
優しさという名の花びらが降り注ぐ
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