哀しみ皇子/アマル・シャタカ
 

「哀示美鳥についていけばわかる」
としか教えてくれなかった

しかたがないので
ぼくは哀しみ本線に乗り込んで(当然、こども料金だ)
後を追うことにした
そしたら車掌のやつが
「あなたの手にいる哀しみ分の料金もいただきます」
といってきた
どうしてだい?って尋ねると
「哀しみ本線ですから」
ほんと、失礼しちゃう
今日はさんざんな日だ
手の中の哀しみは鼻歌を歌っている
とうさん、かあさん
ぼくはしばらく旅にでます

つぎの停車駅は

哀しみ宝石職人
停車時間は
哀しみ時間琥珀色

だってさ
また手紙かくね

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