父の日/北乃ゆき
 
するに、父はここで総ての基本を学んだんだと思う。母親から理解されなくても姉は理解してくれた、旭川で合わなくても釧路では親友と出会った。合わない人とは浅く付き合い、理解してくれる人を大切にする。相互作用で理解してくれる人を大事にする事は合わない人と上手くやる事に繋がっていたんだろうな、と思う。

★芽室の農家で育った母は、大らかで、父の最大の理解者だったのでいいのだけれど、父が深い付き合いを許した人間で「私」だけが、気が合うかどうかも解らないのに、ただ娘というだけで輪の中に入れられた人間だった。だから父と衝突する、する。私は父の事を最後まで理解できないまま父と別れた。

★「友達」のいな
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