少女/智鶴
 
白いワンピースが揺れていました。
荒れ狂う怒号と崩れる瓦礫の山の中で、
白いワンピースが揺れていました。

もう動くものの無い街を照らす太陽が、
真上にまで移動して、
少女のうなじを焼いていた。

少女はまるで、
全てを知っているように
全てを知っているように
歩く。



わたし、あなたをゆるします。
あなたをゆるします。

だって、そんなにも傷ついて、
貴方にも、守るものがあるのでしょう?
愛するものが、あったのでしょう?

だってそんなに綺麗な目をして、
人を憎むことなんて、
到底出来やしないもの。


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