パン屋/ひろっち
足元にはあんぱんのゴマが散らばって、
ガラス越しの地下街は盆ちょうちんのように繰り返されて、
繰り返されて、
加減の利かない照明と、
可でも不可でもない音楽と、
安穏とした空気のなかで、
「30代がメンタルに陥る理由(わけ)が何となく分かる気がする」
って横から聞こえてきて、何となく分からないでいる今日び。
何だかんだ言って、結局、上が決めずに保留で異動でトンズラこいて、「あとのことは後世に」なんて言い訳に終始して僕らは闇夜を彷徨い続ける
なんて言い訳を考える。
ミニが目立つ。
最近、とことんミニが目立つ。
ミニが目立つ。
使用済みのアンパンマンの顔が廃棄処分されて、
埋め立てられて、一輪の花が咲いた。
安穏とした空気のなかで、
僕はそれをきみのメッセージとして受け取って、
また新たな言い訳を考え始める。
ミニが目立つ。
最近、とことんミニが目立つ。
ミニが目立つ。
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