銀色の月光/鈴木カルラ
 
「もっと美しく」と 誰かがつぶやく

闇に降り注ぐもっとも 美しく 優しい 光
どんなに激しい色であっても その光を浴びたなら
銀色に 淡く はかなく 変わってしまう



「優しくふれればいいの」と わたしはつぶやいた

わたしに降り注ぐその光は
わたしの身体すべてを はかなく 淡く 光らせる
銀色にゆれる頬に誰がふれるのだろう



「銀色の光の中へいこう」と 声が聞こえる

降り注ぐ光は闇の世界を 淡く はかなく 映す
わたしを わたしにふれる誰かも
銀色に映りこんだ世界の中へ 優しく 美しく




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